女の子が作ったパソコン通信ガイド 1988

1988年5月1日アスキーから初版発行の本である。今ではちょっと付かないであろうタイトルだが。

1章ではパソコン通信でできることの解説から始まり、2章で実際にゼロからパソコン通信を始めるまでの手順を日記風に紹介し、3章「よろしく、私たちネットワーカーです」では運営やシグオペやヘビーユーザーとしてパソコン通信にかかわる女性たち18名が紹介され、4章でパソコンやモデムや通信ソフトなどが具体的に述べられて巻末には東京秋葉原・大阪日本橋のショップMAPやメジャーなパソコン通信サービス、用語集などが載っている。

私は最初テスト運営時代のアスキーネットに参加し、アスキーネットがACS・PCS・MSXに分かれたあたりからニフティ・サーブに移っていった。

読み返してみて意外だったのは1988年でまだ通信速度が最速2400bpsだったことと、紹介されていたPC-9801VX21(5.25インチフローピーディスクドライブ2台内蔵)の本体価格が¥433,000もしていたことである。エプソンのVX21互換機で¥298,000とやっと30万円を切っている。今から考えればモデムやソフトなど周辺機器+電話代(テレホーダイは1995年とまだまだ先)と多額の費用をかけて文字だけの通信をしていたのだ。

またなるほどと思ったのは当時ワープロ専用機でもモデムを接続・内蔵してパソコン通信可能な機種があったこと。ワープロ機で十分ならコストが抑えられてこれも実用的だったろう。ここでワープロオアシスとニフティ・サーブについて詳しく述べられている。

東京秋葉原マップも懐かしい。なにせ神田青果市場が健在。家電量販店は石丸電気サトームセン第一家電ナカウラ皆盛業中。牛丼どんどん、アキバに行くとよく利用してた。石丸電気の領収書 1982

この本でパソコン通信にかかわる人達をネットワーカーと呼んでいるのが興味深い。パソコン通信はインターネット接続とは別物なのでアクセス手段としてのネットワーカーという言い方は間違っているのだが、結果的に人脈が広がるという感覚では合っている。

この本でネットワーカーとして紹介されている女性たちの中に知り合いが3人いて後に1人とパートナーになったことは、内緒にしておこう。