1984年戸川純さん(以下敬称略)のレーダーマン発表ライブで、右腕に装着するロボットアーム風カバーからレーザーを照射する仕掛け作りとオペレーションを勤務先が手掛けることになった(ロボットアームは他の方が製作されたもの)。
私はロボットアームと髪飾り(カチューシャ)の電飾装置製作と取り付けを担当した。光っているのは鉄道模型などに使われていた麦球である。LEDにしなかったのはステージ上での光量と指向性を考えたためだったと思う。ラジコン用のニッカドバッテリーを電源にして、UV-EPROMに書き込んだ点滅パターンをカウンターで読み出し、麦球のグループごとに点滅させた。バッテリーとコントローラーは腰のあたりに着けていた。今ならワイヤレスDMXで外部から曲に同期させようということになるだろう。
夜のヒットスタジオに戸川純が出演する日の午後に電飾が光らないと連絡が入って来た。急いで河田町のフジテレビに駆けつけて楽屋で修理。単純な接触不良だったか動きによる断線だったか、まぁ故障はすぐに直った。その日はそのまま本番まで付き合っていたのだが曲始まりでしばらく電飾が点灯しない。「あれっ、純ちゃんスイッチ入れ忘れてる」とアルファの担当者がつぶやく中、彼女はスイッチに手を伸ばし(肘の内側あたりにスイッチがあり彼女がONしているのが分る)事なきを得た。
こちらの動画では麦球のカラーとロボットアームの電飾が綺麗に見えている。
2011年1月26日